2021.06.01

ハリウッドで動画コンテンツを制作する3つの魅力 ~ハリウッドの映像制作費~

ハリウッド制作は高くない

ハリウッドで動画制作することのメリットとして、システム的な産業としての仕組みを持っていることと、豊富なキャストとクルーが揃っているということの2点を挙げたが、企業が最も心配する点はコストだろう。ここで改めてお伝えしたいのは、ハリウッドでの映像制作は決して高くないということだ。

映像制作を行う上でコストがかかるものをいくつか挙げると、(1) 人件費 、(2) 機材費、 (3) ロケーション費、となるが、ハリウッドではそれぞれの費用を非常に良心的な価格で手配できる場合が多い。

制作スタッフの人件費は日本と同程度

日本と比べて、ハリウッドでは人件費が何倍にもなるというのは嘘だ。もちろん、有名タレントと同様に事務所に所属している売れっ子監督やカメラマンは料金が高いが、事務所に所属していないプロフェッショナルな制作スタッフもたくさんいる。また、彼らが住んでいるロサンゼルスの物価は東京と変わらないため、日本国内で制作した場合と相応の賃金で依頼することができる。

日本と比べて圧倒的に安い外国人タレントの出演料

日本で外国人タレントを起用すると、かなりコストが高くなってしまう。もともと事務所の数が多くないこともあるが、且つ低予算案件の場合、オーディションを行うことが難しい。オンライン上で直接タレントとやりとりしたい場合も、間に事務所が入るので、非常に煩雑で手間がかかるのが現状だ。また、日本に定住するタレントの数も多くなく、日本でタレントになるために海外からやって来る人などさらに少ない。そんな中で、今後求められるダイバーシティのニーズに応えつつ、一流のタレントを起用することは極めて難しくなっている。ハリウッドの人材が豊富な点は述べたが、外国なので外国人タレントが多いのは当然。しかもハリウッドでは、労働組合 (ユニオン) に加入しているタレントも、日本で外国人タレントに支払う出演料よりも安く依頼することができる。これは長年の労働組合らによる価格設定が定着してきたことにもよるが、中でも非常に厳しい競争率の中にいるタレントは値段交渉が可能になっている。さらに、キャスティングサイトなどは、製作陣と役者との直接のやりとりを可能にしているため、とても効率的だ。

これらの点から見ても、タレントやクルーの人件費の比較ではハリウッドが有利だ。

機材・スタジオ照明費も安い

ハリウッドの機材費は日本に比べて圧倒的に安い。まず、レンタルハウスは多くあり、必要な機材はなんでも手に入る。照明機材のレンタルと言えばWoodennickel。ハリウッドでも老舗で、なんと1996年以降はレンタル価格が変わっていないという低価格レンタルハウス。他にも、Sammy’s Camera, Quixote, ShareGrid など、必要に応じてさまざまなレンタルサービスが存在しているので、予算に応じて機材を自在に使い分けることも可能だ。

シネマカメラで最高画質の映像撮影を

機材費が安いメリットを活かして、日本では価格帯が高いシネマカメラなどを使ったウェブコマーシャルを撮影することが可能になる。

シネマカメラをなかなか使えない主な理由は2つ。1つは機材が高いこと。もう1つは、収録方式が違うため、事前にその知識を持つポストプロダクションとの連携をとる必要があるからだ。しかし、ハリウッドには豊富な人材が存在するため、シネマカメラでのワークフローに慣れているスタッフはいくらでも見つけることができる。それは現場だけではなくポストプロダクションにも言えることで、納品までしっかりと映像のクオリティを高めることができるのだ。

豊富なロケーションとその費用について


グローバル企業の広告動画において、撮影するロケーションも重要な要素だと述べた。日本でもモデルハウスを利用することが多いが、日本のカスタマー向けに制作することを前提としたモデルハウスがほとんどで、海外市場に向けた映像制作にふさわしい場所はほとんどない。ハリウッドは撮影ロケーションの宝庫だ。

ハリウッドで撮影現場の候補地を探す際に、よく使われるのはPeerSpace。撮影ロケ地を低価格で探すのに大変優れたサイトだ。ロサンゼルスだけでなく、ニューヨークなどでも撮影スタジオを含む多くの物件を利用することができる。値段も安いものから相応のものまで幅広く、日本で支払うのと同等の費用で丸一日レンタルして撮影することができる。

また照明などの機材のレンタルコストも安価だと説明したが、スタジオなどでの撮影には照明は必須になる。スタジオ代金もその他の機材代金も安いため、映像を撮影するのにハリウッドは非常に便利だ。

さらに細かい話をすると、撮影する際に機材が多いと運搬が大変だが、大型の車が多く、道幅の広いロサンゼルスでは機材の運搬も効率的にできる。一方、道幅の狭い日本では、車での機材運搬・搬入は時間の取られる作業になってしまう。これは結果的に撮影時間が削られてしまうため、理想的とは言えない。つまり、ハリウッドでは車での運搬(レンタル機材のピックアップなども含む)をスムーズに行えるので、撮影に影響が出にくいというメリットもあるということだ。

高くないハリウッド

これまでの説明を通して、ハリウッドでの映像制作は高くないということが実感いただけたかと思う。グローバル向けの映像制作を、コストが安そうだからと決めつけて日本で行うよりも、ダイバーシティ、建物の作りや天候の違い、そして人材など、直接映像に反映される部分だけでなく売上に影響する部分にまで目を向けて、決断いただく手助けになれば幸いだ。

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