2022.04.25

2021年、LinkedIn内で最もシェアされた記事からLinkedInがどんなSNSなのかを覗いてみる。

こんにちは、フラッグのルナです。今回はLinknedIn Marketingブログの「2021年にLinkedInで最もシェアされた記事」の解説と考察をしていきます。

LinkedInについて

LinkedInはアメリカ発のビジネスに特化したSNSです。ユーザー数は世界中で約8億人、本名で登録し、自分の過去の経歴や現在の仕事を記入します。企業であれば、宣伝はもちろん、求人情報など、様々な情報を公開し、いろいろな分野のプロフェッショナルとつながることができます。企業の中でも特にB2B企業はLinkedInを通して、コンテンツプロモーションやネットワーキングが他のSNSと比較して圧倒的に効果的なので、B2B企業にとって必ず抑えるべきSNSであると言っても過言ではないでしょう。

Sophisticated Marketers Guide to LinkedIn

LinkedIn内のSNS以外のサービス

LinkedInではSNS以外にも、ビジネスを中心に様々な授業を受講できるサービス「LinkedIn Learning」や、マーケターのための様々なコツやアドバイス等をわかりやすく書いたブログ「LinkedIn Marketing Blog」など、仕事のプロダクティビティを最大化させるサービスもあります。

今回はそのブログの記事の一つ、The Most Shared Content on LinkedIn in 2021(2021年にLinkedInで最もシェアされた記事) を簡単な考察を含め、翻訳・解説していきたいと思います。

2021年はコロナ禍で激動の年…ということは、マーケターにとって新しいキャンペーンの計画をしなくてはならないことを意味します。LinkedIn内で最もシェアされたコンテンツをみると、世界のトレンドがビジネスに影響していることが伺えます。今回は

  • 変わりゆく職場
  • 世界規模のイベントがビジネスに影響すること
  • 公平性のある社会のためにビジネスができること

の3つカテゴリーを分けて、LinkedIn内で多くシェアされた22記事を紹介していきます。2022年のB2B向けコンテンツのいいアイデアになるかもしれません。

変わりゆく職場

1.The next normal arrives: Trends that will define 2021—and beyond  McKinsey & Company
ニューノーマルが到来: 2021年を形作るトレンドとその先
コロナ禍になり、既存のトレンド(気候変動、ジェンダー、仕事と人生のバランス)等の問題がより強調され、私たちはビジネスにおける大規模な変化を目撃している。それに乗り遅れないことが重要。

2.Why does video conferencing knock our brains out? (and how to retaliate)?Franceinfo
ビデオ会議は何故私たちの脳を消耗させるのか?(そして対処方法)
コロナ禍において、ビデオ会議は当たり前のものとなった中で、なぜビデオ会議は消耗しやすいのかを解説、対策も紹介。

3.9 Trends That Will Shape Work in 2021 and Beyond Harvard Business Review 2021年の仕事を形作る9つのトレンドとその先
ポスト・コロナの世界で、仕事環境がいろいろ変化した現在。ハーバード・ビジネス・レビューがこれからの仕事において重要になってくるトレンドを解説。

4.Good Leadership Is About Asking Good Questions Harvard Business Review 
良いリーダーシップとは良い質問をすること
リーダーはいつも答えがあるもの、と考えがちだが、大切なのは良質な質問ができることである。悪いリーダーシップについても例が示されており、リーダーのポジションにいる方は必見。

5.Beyond Burned Out  Harvard Business Review 
心が燃え尽きた先に 
コロナ禍で世界中の多くの人が燃え尽き症候群に陥っていると言っても過言ではなく、それに対抗する方法を解説。

6.Empathy Is The Most Important Leadership Skill According To Research Forbes 
理解や共感はリーダーシップスキルで一番大切なスキルである
リサーチによると、理解・共感がリーダーシップに置いての重要なスキルであるとのこと。共感を軸におくと、ポジティブな結果が仕事にもたらされることが多いとか。

7.Kindness at work is a strength, not a weakness  FocusRH 
仕事上のやさしさは弱点ではなく強みである 
やさしいことが仕事においてどれほど影響していくか、ということについて解説。その上でやさしさが他の仕事におけるスキルの向上にもつながる、とのこと。

8.manager who shows kindness spreads it around him Courrier Cadresやさしいマネジャーはやさしさを広めていく 
マネジャーがやさしさを持って仕事をしていると、どういう影響があるのか。行動科学を元に検証。

世界規模のイベントがビジネスに影響すること

9.Tim Cook May Have Just Ended Facebook Inc. 
ティム・クックがフェイスブックを終わらせたかもしれない。
ティム・クックが、国際データプライバシーデーにおいてマーク・ザッカーバーグを批判する旨のスピーチをした。その内容に関するまとめ記事。

10.Email from Jeff Bezos to employees  Amazon
ジェフ・ベゾスからアマゾン従業員への手紙
ジェフ・ベゾスがCEOの座を退くに当たり、アマゾンの従業員へ送ったメッセージ。

11.Spotify will let employees work from anywhere even after Covid-19 pandemic Business Standard
Spotifyはコロナ後もリモートワークを続けるつもり
Spotifyはコロナ禍にリモートワークをさせていたが、コロナが収束してもリモートワークを続けていく方針を示した。

12.Brewdog, Trunki and Cup-A-Wine: Ten Dragons’ Den rejects now worth billions  The Evening Standard 
投資家バラエティ番組で”失敗”した英国企業が今では何十億もの価値がある企業に 
イギリスの投資バラエティ番組「Dragons’ Den」において、投資を受けることができなかったビジネスが、今では人気に火がつき、何億ポンドの価値を持つ企業になったことについての紹介記事。

13.Jean-Marc Jancovici, the ecologist who atomizes everyone L’OBS
環境学者ジャンマルク・ヤンコヴィッチがみんなを原子力派にする
原子力使用賛成派である環境学者のジーンマーク・ジャンコビッチが自身の原子力使用賛成派としての意見を述べていく記事。複雑なアイデアでもストーリーを通してわかりやすく伝えることができる。

14.Deloitte tells staff they can work from home forever The Telegraph 
デロイトが従業員へ恒久的なリモート勤務を許可
世界最大の会計事務所「デロイト」がコロナ後もリモートワークを認める判断をしたとの記事。

15.Morgan Stanley will bar workers without Covid vaccinations from most New York offices beginning July 12 CNB
モーガン・スタンレーがコロナウイルスのワクチン未接種者のニューヨーク事務所への出入りを7月12日以降禁止する決定
モーガン・スタンレーがワクチン未接種者のニューヨーク事務所への出入りを禁じたとの報道。かなりの大企業のため、他のB2Bビジネスにも影響する可能性がある。

16.Four-day week ‘an overwhelming success’ in Iceland BBC 
週四日勤務がアイスランドで大成功
アイスランドで週四日勤務を実験的に取り入れた結果、作業効率が圧倒的に上がったという話を深く掘り下げている記事。

17.Euros 2020: What all of us can learn from Gareth Southgate BBC
ユーロ2020: ガレス・サウスゲートから私たちが学べること
英国のサッカーコーチのガレス・サウスゲートの経歴を元に、そこから何を学べるかを検証する記事。ダイバーシティの重要性について語っている。

18.Largest plant in the world that removes CO2 from the air launched in Iceland RTBF 
アイスランドで世界最大のCo2除去プラントが稼働開始
地球温暖化対策の取り組みの一環として、アイスランドで世界最大のCo2除去プラントが稼働開始。環境保護に取り組む活動はやはり注目される。

公平性のある社会のためにビジネスができること

19.XLRI sets up Centre for Gender Equality and Inclusive Leadership Telegraph India XLRIが「ジェンダー平等とインクルーシブ・リーダーシップのためのセンター」を設立
インドのニューデリーで、コロナによって広がってしまったジェンダーキャップ解消のためにジェンダーやインクルーシブ・リーダーシップのためのセンターを設立。

20.International Women’s Day 2021 theme: Choose to Challenge International Women’s Day 
国際女性デー2021 「挑戦という選択」
021年の国際女性デーのテーマが「挑戦という選択」として性差を無くすための取り組みに積極的に挑戦していくことを提唱。

21.Uber partners with Better Future for Women to onboard women drivers in Bangladesh The Daily Star 
UberがバングラディッシュNPO「Better Future」と提携し、バングラディッシュで女性運転手の雇用を推進していく ライドシェアアプリ「Uber」がバングラディッシュで女性運転手の雇用を推進していく取り組みを発表。労働環境での性差の解消や女性の経済力の向上を狙う。

22.Top 10 alpha females of Hong Kong’s financial services industry South China Morning Post 
香港のアルファ女性10人
香港金融業界の10人の女性リーダー達が、達が、男女の多様性がビジネスにいい影響があることを説明しながら、平等実現のために業界ができることについて語っています。

記事を見た上での考察

他のソーシャルメディアでは単純に”トレンド”が注目されるが、LinkedInにおいてはコロナ禍においてのビジネスの在り方=現在のトレンドとビジネスの関係性が注目されやすいということ。上記のモーガン・スタンレーのワクチン接種の義務づけの記事のように、一般人の態度ではなく、1企業のワクチンへの態度がシェアされているのはLinkedInならではでしょう。

アマゾンやアップルにまつわる話題は、ビジネスに携わる多くの人が知っておきたい事でもあるので、日本でも取り上げられている記事も見受けられました。

【書簡全文】退任するジェフ・ベゾスがアマゾン従業員に贈る言葉 | Business Insider Japan

【アップルvsフェイスブック】両CEOが仲違いをした決定的な瞬間 | クーリエ・ジャポン

コロナ禍において私たちの生活は劇的な変化を遂げましたが、LinkedInではその中でも企業の恒久的なリモート宣言や週四日勤務など、ひとりのビジネスマンとして気になるトピックや、新しい働き方の攻略方法などが注目を集めているようです。上記の記事が直接翻訳されることは無くても、リモートワークのコツや対策方法の記事はビジネス・ライフハック系のブログ等で見たことがあるのではないでしょうか?

それと同時に、欧米では環境問題やダイバーシティ等もかなり重要なトピックになっており、LinkedInで一番シェアされた22記事の中で4つは関連したトピックとなっています。欧米では企業が環境や職場のダイバーシティを意識しているかを物語っています。

終わりに


LinkedInでは、ビジネスの切り口で捉えているものがシェアされやすい傾向にあり、人気の記事となっています。LinkedInのユーザーはあくまでもプロフェッショナルとしての情報収集や繋がりを意識していることが分かります。だからこそLinkedInはビジネスマンにとって絶好の交流の場と言えるでしょう。

Don’t be shy

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