2022.04.12

CES2022のFlag Pictures的レポート

今回は、1月の頭に毎年ラスベガスで開催されている世界最大規模のテックトレードショーであるCESに参加してきたので、そのレポートを書きたいと思います。
日本企業の北米向けのクリエイティブ制作を行う会社として、日本の企業のブースを中心に回ってきましたので、気になったブースを中心にレポートしたいと思います。

気になった日本関連のブース

INNOPHYS

1つ目は、空気圧で稼働する人工筋肉のはたらきで動作を補助する装着型の作業支援ロボット(アシストスーツ)であるマッスルスーツを開発しているイノフィスです。
スーツ自体の機能や特徴については、↓の動画をご覧くださ

実機の試用待ちの方と、試用中の様子を眺める見物客でブースの前は大混雑でした。
このブースのように、実際のプロダクトを試すことができるブースはやはり人気が高く、恒常的に人が多く集まっていました。
逆に、昨年のように完全デジタルだと実物を試してもらうことは難しいので、ハードウェア系を開発している企業にとってリアルイベントに参加することの重要性を強く感じたという点で、個人的に強く印象に残っています。

FUKUOKA Smart EAST

2つ目に紹介するのは、九州大学箱崎キャンパス跡地において、最先端のテクノロジーを積極的に導入し、持続的にまちの社会課題を解決するプロジェクト「Fukuoka Smart East」です。
スマートシティ開発のプロジェクトについて国外にもより認知してもらうために出展をしているとのことでした。
一般企業ではなく、自治体のプロジェクトとして出展しているのは、他の国のブースをみても非常に珍しく、いつも訪れています。
写真撮影時はちょうど合間のタイミングで特に人がいない感じの写真しか撮れていないのですが、次回はきちんとタイミングを見計らって訪れてみたいと思います。

J -Startups

3つ目は、日本貿易振興機構(ジェトロ)が主催している出展スペース「J -Startups」です。
出展機会、商談マッチング、メディア向けのPR機会の提供などを通じ、日本スタートアップのグローバル展開を支援する目的で出展されています。
4年目となる今年は52社が出展、2年前の28社から約倍増したとのことで、2年前と比べて装飾なども豪華に、スペースも広くなり、多くの人が集まっていました。

出展企業の一覧はこちらから確認できるのですが、中でも個人的に気になった企業は…

Skydrive
「空飛ぶクルマ」と「物流ドローン」を開発している企業。「空飛ぶクルマ」の有人試験機「SD-03」のフルスケール展示機を海外で初公開していました。パビリオンの入り口にドカンと置いてあることもあり、そのインパクトはすごく、常に多くの人が試乗するために列を作っていました。

Engineerforce
ソフトウェアエンジニア向けに見積もり作成の DX ツールを開発している企業。ウェブサイトのデザインや動画の作り方など、初めから海外展開を視野に入れていて、イマドキのソフトウェア会社という印象でした。モニターの動画内にQRコードを入れていたのですが、そのアイディアも面白かったです。

D’Arts,Inc.

AIを活用したノーコードVRコンテンツ制作サービスである「 Hatch-Pot VR(通称:ハッチポット)」を提供する会社。
従来は、VRアニメを作るのに脚本、キャスティング、制作など多くの時間や手間をかける必要があったところ圧縮し、自然言語処理によりテキストを入力するだけでVRコンテンツを制作できるようにすることで、VRコンテンツの発信が誰でもできるようにしたいとのことでした。
デモを体験させてもらいましたが、このコンテンツがプロの技術なしにノーコードでできてしまうのはスゴイなと感じました。
日本関連の出展では今回の記事の中で紹介する唯一のWeb3関連サービスなのですが、本当に今後色々な用途が考えられそうで、今後がとても気になります。

その他に気になったところ

Lotteのバーチャルストア/バーチャルコンサート

韓国のLotteグループが「メタバース免税店」および「メタバース試着室」の体験を行っていました。
https://www.kedglobal.com/newsView/ked202201130018

また、同ブース内ではKpopガールズグループのSATURDAYによるバーチャルライブの体験も行われていました。
個人的にバーチャルライブを体験したことがなかったのですが、VRヘッドセットとヘッドホンを装着することによるアーティストとの距離感や、鑑賞できる視点の種類の多さなど、VRならではのライブ体験があることを認識できました。

EUREKA PARKで存在感を出していた韓国企業

スタートアップ企業専用の出展スペースであるエウレカパーク。
先述したJ -Startupsや、Japan Tecなどのブースもこのスペースにあるのですが、他の国のスタートアップも同じようにまとめてスペースを借り、その中で細かく展示スペースを区切って出展しています。

例年だとフランスのエリアが一番広く目立っていた印象だったのですが、今年は韓国企業のスペースがかなり広がったと感じました(マップ写真の赤枠部分が全て韓国企業のスペース)。

会場間移動手段の「Vegas Loop」

出展ブースとは関係ないのですが、Teslaを使用した新しい会場間の移動手段「Vegas Loop」はすごく話題になっていました。
指定のステーションに行くと複数台のTeslaが待っていて、ドライバーに目的の行き先を伝えると、その会場まで連れて行ってくれます。
ドライバーに聞いたところ、CES以外でもラスベガスのStrip⇄ホテル間の移動などで今後運用を拡大していく予定みたいなので、数年後には各所で体験できるようになっているのかもしれません。

まとめ

今年はやはり全体的に参加者/出展者ともに少なかった印象でした。
一応バーチャルとのハイブリッドなので、コロナの状況も鑑みてバーチャルのみの参加にシフトした企業/人が多そうだということと、直前で実施期間も1日短縮され、全体的にスケールダウンしていました。

また、今年はメタバースに代表されるWeb3系の展示をたくさん見たいと思っていたのですが、そこまで数がなかった印象で少し残念な気持ちになりました。

日本関連のブースで使用されていたクリエイティブについては、各社様々で、パワーポイントスライドをモニターに表示させているのみのところもあれば、バナーやカード、チラシ、映像とフルで用意しているところもあったのが印象的でした。
映像については、海外展示会での使用を意識し、音が聞こえない中でも内容を把握できるようテキスト要素が多く入っていたり、海外テイストのデザインで作成されたイラストアニメーション映像や、海外視聴者を意識して撮影した実写映像などをモニターで流しているブースは、参加者としても立ち止まり易く、展示内容を理解しやすいと感じました。
実際のサービスやプロダクトに触れてもらい体験してもらうことと合わせて、バーチャルイベントもリアルイベントも、ブースで見せるデックや映像などでビジュアルで理解できるようにクリエイティブを用意することの必要性を改めて感じたCES2022でした。

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